表郷小学校

表っ子NEWS

図書館 春の掲示

 今、図書館の掲示は、イースターバニー、イースターエッグの掲示です。

 イースターのお祭りでは、隠されたイースターエッグを探し出すイベントもあるようです。図書館に隠されたお宝の本を探すように、自分のお気に入りの一冊を見つけてほしいです。

こどもの日献立

 メニューは、たけのこごはん、鮭の三味焼き、おひたし、あさりのすまし汁、そして、柏餅がつきました。柏餅の袋には、かしわもちの由来について書かれていました。柏餅は、二百年くらい前に作られたそうです。柏の木は、絶えず葉が茂っていて、新芽が出るまで、古い葉が落ちないそうです。そこから、家庭が常に栄えるようにということで、五月五日の端午の節句に柏餅を食べるようになったそうです。明日からの3連休は、いいお天気になるようです。お出かけの際は、感染対策をしっかりと取って、お出かけください。

オンラインで児童会総会

 オンラインで、各委員会の計画を発表しました。事前に受けていた質問の回答も行いました。「気づき 考え 実行する」児童会を目指して、各委員会が動き出します。

表郷の文化財

 ビャッコイは、県指定の天然記念物ですが、表郷地区には、「数多くある~文化財・・・」と校歌でも歌われているように、たくさんの文化財が存在します。その中でも、私が一番に選ぶとしたら、やはり、「常在院の絵巻物」でしょうか。

 常在院は、表郷中寺にあるお寺です。このお寺に、ある有名な妖怪伝説にまつわる絵巻物があるのです。その妖怪とは、「九尾の狐」です。
 この九尾の狐は、平安時代に、京の都に現れた妖怪です。狐は化けるのがうまいので、玉藻前(たまものまえ)という絶世の美女に化け、当時の天皇を呪い殺そうとしました。しかし、その正体を陰陽師に見抜かれた九尾の狐は、今の栃木県の那須原に逃げました。京より追ってきた討伐軍は、苦戦しながらも、ついに九尾の狐を討ち取ります。しかし、死んだはずの九尾の狐の魂が、大きな岩に乗りうつり、毒石となって周囲に毒気を吹き出し、近づく人や動物の命を奪いました。那須野に住む人々は、この毒石を「殺生石」と名付け、近づくことを避けていました。
 それから何年も経ち、何人もの僧侶がここを訪れては、殺生石の呪いを鎮めようとしました。しかし、みな、命を奪われました。ある時、一人の高僧が、この殺生石の呪いを鎮めようと、那須野に来ました。この高僧は、玄翁(げんのう)和尚と言いました。玄翁和尚は、大変強い念力で、ついに殺生石の呪いを鎮め、その時、殺生石は砕け散り、そのかけらは日本全国に飛び散ったのでした。

 この物語が、絵巻物となり、常在院に残っているのです。それがなぜかというと、殺生石の呪いを鎮めた玄翁和尚が、この常在院を建てたからです。さらに、全国に飛び散ったという殺生石のかけらの一つが、常在院の裏山にも飛んできて、今も残っているのです。もうすごすぎです。そして、もう一つ。玄翁和尚の強い念力で、殺生石が砕け散ったという伝説から、石などをたたき割る「かなづち」を「げんのう」と名付けられました。

 常在院の絵巻物の正式の名前は、「紙本著色源翁和尚行状縁起(しほんちゃくしょくげんのうおしょうぎょうじょうえんぎ)」と言います。幅約30cmで、長さが約15mほどの絵巻が3本あります。この絵巻は、年に1日だけ、8月7日に御開帳します。興味がある人は、常在院を訪れてみてはいかがでしょうか。とてもきれいに彩色された素敵な絵巻物です。

ビャッコイは、カネヤマイだった?!

 まず、「ビャッコイ」とは何か、知らない方がいるかもしれませんので、説明します。ビャッコイについては、白河市のホームページに次のように紹介されています。

 表郷小学校北側の林の泉(通称不動清水)に自生するカヤツリグサ科、ビャッコイ属の植物である。明治33年(1900)頃、鈴木貞次郎が採取し、福島師範学校(現福島大学教育学部)教諭を経て植物学者牧野富太郎に渡り「ビャッコイ」と命名され、明治37年に学会で発表された。岩代国戸ノ口原(会津若松市)付近の採取品と紛れたため、白虎隊の古戦場にちなんで命名されたという。清らかに澄み、冷たい清水の湧く泉に自生する多年草で、通年10~12℃の水温を保つ湧泉の小流や小池沼などに限って生育し、砂質の土壌に根を張る性質がある。全体は淡緑色で長さ10~50cmに及ぶものもある。また、生育地の水深の変化に伴いその形態にも著しい相違がみられる。花は大きさ数mm程度で灰緑色を帯び、8~9月にかけて長さ5~15cmの花茎から茎頭に穂状に開く。一説には氷河期の名残を留める植物で、日本ではここにしか自生していないとされ、平成16年(2004)に岡山理科大学の星野卓二教授によるDNA鑑定の結果、オーストラリア産ビャッコイと近縁種であることが判明した。白河と近縁種のビャッコイはオーストラリア、インドネシア、パプアニューギニア、ニュージーランドの標高700~3900mの山地の湿地や水辺に分布し、生育の環境はそれぞれ異なり、北半球での存在は表郷のみである。

 特に、注目してほしいのは、日本では表郷にしか自生してなく、世界でも5カ所にしか生育していない点です。それだけ希少価値がある植物が、この表郷に生育しているなんて、すごいことです。なぜ、ここだけなのか。おそらく、遥か昔には、至る所で生育していたものが、長い年月を経て、生育環境の変化に伴い、少しずつ姿を消していき、今、日本ではこの表郷にだけ、その種が奇跡的に生き残ったのかもしれません。ビャッコイが生育している環境は、清水が湧き出していて、緩やかに水流があり、周囲の樹木により、適度に日陰になっています。きっと、ビャッコイの成長にどんぴしゃりと、はまった環境だったのでしょう。しかし、温暖化など、昨今の環境の変化により、全て自然任せでは、ここまで残っていなかったかもしれません。このビャッコイの保護のために、たくさんの方々が昔から携わっています。中学生も協力されているそうです。そういう方々の努力のお陰で、今もビャッコイは生き続けられているのです。

 この新種の植物に、「ビャッコイ」と命名したのは、植物学者の牧野富太郎博士です。ただ、ちょっとおしいのは、博士が会津の植物と勘違いしたために、白虎隊のビャッコが名前についたことです。もしかしたら、ここカネヤマの名がついて、「カネヤマイ」だったかもしれません・・・。最後に、名付け親の牧野富太郎博士がモデルとなる朝の連続テレビ小説が、2023年春放映されるそうです。ストーリーの中に、ビャッコイが登場するといいですね。