全校集会~校長の話~
世の中には「使うと減るもの」と「使うと増えるもの」があります。「使うと減るもの」は,主に目に見えるものです。消しゴム,鉛筆,お金など。では,「使うと増えるもの」は何だと思いますか?それは,主に目に見えないものです。使えば使うほど増えるものには,例えば「体力」があります。体を動かせば動かした分,体力が増えます。ほかには「能力」があります。頭を使えば使った分,知識や知恵が増えていきます。しかし,体や頭は,勝手に動くものではありません。そこには,「よしやるぞ!」という意志,心のスイッチが必要です。だから,体や頭を動かそうとする「心」も,使えば使うほど増えるものです。だれかに優しくしたり親切にしたりすると「優しい心」「親切な心」が増えます。「心」のすごいところは,体力や能力と違って,自分だけでなく,ほかの人の心にもそれがうつって増えていくことです。つらいときにがんばった心は「つらいときにがんばれる心」に成長します。がんばっている人を見ている人も「自分もがんばろう」と思ったりします。
校長先生は、金曜日、5年生と登山にいきました。1915mもの高さがある茶臼岳。石や岩がゴロゴロして、足場が悪く、歩きづらい登り道。かなり、きつい。心が折れそうになります。でも、一緒に歩いた大輝君と、好きな食べ物の話をしながら、苦しくてもあきらめず踏ん張って一歩一歩歩き続けていたら、自然と笑顔になって声も明るくなりました。他の5年生もたくさん励まし、応援し、明るい話題で、その場を盛り上げてくれました。だから、5年生の心が校長先生にうつって、プラスの心が増えたんです。辛いことを乗り越えて、その場を楽しむ気持ちになれたんです。
では、逆だったらどうでしょう。「もういやだ。なんで登山なんかしなくてはいけないんだ。もうやめたい」ずっと文句を言いながら歩いていたら、マイナスの心が増えて、ずっと不機嫌そうな顔,暗い声になっていたと思います。心は見えませんが,増えた心はそのうち顔の表情や言葉づかい,声などに表れ,見えるようになってきます。私たちはプラスの心もマイナスの心も両方あるから人間らしく生きられます。でも,増やしていい心と増やさないほうがいい心があることをわかってほしいのです。プラスの心を増やしましょう。プラスの心を増やすコツは,自分のよいところ,友達のよいところを見つけること,そして,「ありがとう」という感謝の気持ちを声に出すことです。マイナスの心を減らすコツは,相手をゆるすこと,あやまること,そして,ぐっとこらえることです。豊かな心からあふれ出たその笑顔は,自分を幸せにするだけでなく周りの人をも明るくします。信夫二小がそんな素敵な学校になるかどうかは,みんなの心のスイッチにかかっています。さあ,心のスイッチをオンにして,プラスの心を増やして,学校中に広げていきましょう。
特に、今日からみんなで、本気で努力して欲しいことがあります。それは、挨拶です。どんなに疲れていても、落ち込んでいるときでも、毎日会う人でも、苦手な人でも、しっかり挨拶しましょう。実は、挨拶にはとても重要な意味があるのです。挨拶の「挨」には、心を開くという意味、「拶」には、その心に近づくという意味があります。つまり、挨拶とは、まず自分の心を開くことで、相手の心を開かせ、相手の心に近づいていくということなのです。まず、自分の心を開くのですから、自分からしなければいけないのです。挨拶は、人間関係をスタートさせるための大切な言葉なのです。挨拶ができない人は、人間関係をスタートさせることができません。また、自分では挨拶をしたつもりでも、小さい声では、相手にきちんと伝わる挨拶とは言えません。相手の目を見て、明るく、元気よく、心を込めて、相手の心に自分の心を届けます。それが本物の挨拶です。
校内で、本物の挨拶ができるのは、3人だけです。信夫二小は、3人だけの学校ではありません。35人のみんなで、信夫二小学校です。挨拶一つで、その人の第一印象が決まります。今までの自分をしっかり振り返って、改めるべきは改めましょう。
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